「灰色(はいいろ)」は、灰のような淡い黒と白の中間色を表す日本語の表現です。物理的な色を示すと同時に、「曖昧」「寂しさ」「中立」といった象徴的な意味を持つこともあります。
世界の言語でも「灰色」は共通する色彩語彙を持ちますが、文化的には「憂鬱」「老い」「控えめ」など多様なニュアンスを帯びています。
この記事では、様々な国と文化で使われる「灰色」の表現をご紹介します。
- 世界の『灰色』の表現を一挙紹介します
- ニュアンスの違いによる「灰色」の文化的意味を理解できます
世界各国の「灰色」の表現まとめ
日本語:灰色(はいいろ)
日本語の「灰色」は、燃えた灰の色から来ており、中立・無機質・寂寞の象徴として文学や芸術に登場します。
英語:gray(グレイ) / grey(グレイ) / ash-colored(アッシュ カラード)
英語では「gray/grey」が標準で、アメリカでは gray、イギリスでは grey が一般的です。「ash-colored(灰のような色)」は文学的表現です。
中国語:灰色(ホイセ) / 灰白色(ホイ バイセ)
中国語では「灰色(huīsè)」が標準です。より淡い灰色を「灰白色(huībáisè)」と表します。
韓国語:회색(フェセク)
韓国語では「회색(hoesaek)」が一般的です。日常でも美術用語でも広く使われます。
フランス語:gris(グリ) / cendré(サンドレ)
フランス語では「gris」が一般的です。「cendré(灰のような)」はより詩的な表現で、髪の色やファッションにも使われます。
スペイン語:gris(グリス) / plomizo(プロミソ)
スペイン語では「gris」が標準語です。文学では「plomizo(鉛色=灰色がかった重い色)」も使われます。
ドイツ語:grau(グラウ) / aschgrau(アッシュグラウ)
ドイツ語では「grau」が基本で、「aschgrau(灰のような灰色)」が詩的表現です。
イタリア語:grigio(グリージョ) / cenere(チェネレ)
イタリア語では「grigio」が一般的です。「cenere(灰)」から転じて灰色を表す場合もあります。
ロシア語:серый(セールィ) / пепельный(ペペリヌィ)
ロシア語では「серый(seryy/灰色)」が標準で、「пепельный(pepel’nyy/灰のような色)」は文学的に使われます。
アラビア語:رمادي(ラマーदीー)
アラビア語では「رمادي(ramādī/灰色)」が一般的で、語源は「رماد(ramād=灰)」です。
ヘブライ語:אפור(アフォール)
ヘブライ語では「אפור(afor/灰色)」が標準です。日常的に色の一つとして用いられます。
タイ語:สีเทา(シー タオ)
タイ語では「สีเทา(sii thao/灰色)」が標準表現です。
ポルトガル語:cinza(シンザ) / acinzentado(アシンゼントゥード)
ポルトガル語では「cinza(灰色)」が基本で、「acinzentado(灰がかった)」は形容的に使われます。
ヒンディー語:धूसर(ドゥーサル) / स्लेटी(スレーティー)
ヒンディー語では「धूसर(dhūsar/灰色)」が文語的で、「स्लेटी(sletī/スレート色=灰色)」が口語的に使われます。
インドネシア語:abu-abu(アブ アブ)
インドネシア語では「abu-abu(灰色)」が一般的です。「abu」は「灰」を意味します。
ベトナム語:màu xám(マウ サム) / màu tro(マウ チョー)
ベトナム語では「màu xám(灰色)」が基本で、「màu tro(灰の色)」も文学的に用いられます。
トルコ語:gri(グリ) / kül rengi(キュル レンギ)
トルコ語では「gri」が一般的で、「kül rengi(灰の色)」は詩的・比喩的な表現です。
ペルシャ語:خاکستری(ハーケスターリー) / دودی(ドゥーディー)
ペルシャ語では「خاکستری(khākestarī/灰色)」が標準で、「دودی(dūdī/煙色=灰色)」も日常的に使われます。
最後に
この記事では、世界各国の言語での「灰色」の表現をご紹介しました。
「gray」「gris」「grau」「cinza」「серый」「خاکستری」など、どの言語でも「灰に由来する色」として共通していますが、詩的に「鉛色」「煙色」といった派生表現も豊富です。
多言語の表現を知ることで、「灰色」という言葉が持つ中立的・神秘的・文学的なイメージを幅広く活用できるでしょう。
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