「カラス」は、黒い羽を持つ鳥で、日本では日常的に見られる身近な存在です。知恵がある一方で、人間社会と密接に関わることから、文化的・宗教的にさまざまな意味を持つ鳥として描かれてきました。
世界でもカラスは「知恵」「死の象徴」「神の使い」など多様な意味を持ち、神話や文学にしばしば登場します。
この記事では、様々な国と文化で使われる「カラス」の表現をご紹介します。
- 世界の『カラス』の表現を一挙紹介します
- 文化ごとに異なる「カラス」の象徴的な意味を理解できます
世界各国の「カラス」の表現まとめ
日本語:カラス(からす)
日本語では「カラス」と呼びます。八咫烏(やたがらす)は神武天皇を導いた神の使いとされ、吉兆の象徴でもありますが、一般的には不吉の鳥とも考えられます。
英語:crow(クロウ) / raven(レイヴン)
英語では「crow(カラス一般)」と「raven(ワタリガラス、大型種)」が区別されます。文学では「raven」が死や神秘の象徴として多用されます。
中国語:乌鸦(ウーヤー)
中国語では「乌鸦(wūyā/ウーヤー)」と呼びます。不吉の象徴とされる一方で、三本足の烏「三足乌」は太陽神話に登場します。
韓国語:까마귀(カマギ)
韓国語では「까마귀(kkamagwi/カマギ)」と呼びます。神話に登場する「三足烏(삼족오/サムジョゴ)」は太陽を象徴する霊鳥です。
フランス語:corbeau(コルボー)
フランス語では「corbeau(コルボー)」が一般的です。文学や芸術では死や不吉の象徴として描かれることが多い鳥です。
スペイン語:cuervo(クエルボ)
スペイン語では「cuervo(クエルボ)」と呼びます。象徴的には知恵や死を連想させる存在で、メキシコ文化にも登場します。
ドイツ語:Krähe(クレーエ) / Rabe(ラーベ)
ドイツ語では「Krähe(カラス小型種)」と「Rabe(大型のワタリガラス)」に分かれます。北欧神話ではオーディン神に仕える二羽のカラス「フギンとムニン」が有名です。
イタリア語:corvo(コルヴォ)
イタリア語では「corvo(コルヴォ)」と呼びます。寓話や詩に登場し、知恵や神秘の象徴として扱われます。
ロシア語:ворона(ヴァローナ) / ворон(ヴォロン)
ロシア語では「ворона(vorona/小型カラス)」と「ворон(voron/大型カラス、ワタリガラス)」が区別されます。文学や民話では神秘的存在として多く登場します。
アラビア語:غراب(グラーブ)
アラビア語では「غراب(ghurāb/グラーブ)」と呼びます。クルアーンにも登場し、象徴的な意味を持つ鳥です。
ヘブライ語:עורב(オレヴ)
ヘブライ語では「עורב(ʿorev/オレヴ)」と呼ばれます。旧約聖書に登場し、神からの使者として描かれることもあります。
タイ語:อีกา(イーガー)
タイ語では「อีกา(i-kaa/イーガー)」と呼びます。民話や迷信に登場する鳥で、日常語としても一般的です。
最後に
この記事では、世界各国の言語での「カラス」の表現をご紹介しました。
「crow」「corbeau」「乌鸦」「까마귀」など、言葉は共通していても、文化によって「不吉」「知恵」「守護」など異なる意味を持ちます。
各国語の表現と文化背景を知ることで、「カラス」という鳥の多面的なイメージをより深く理解できるでしょう。
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