「コウモリ(蝙蝠)」は、夜に活動する唯一の哺乳類の飛行生物。 その神秘的な姿から、国や文化によって吉兆・凶兆の両義を持つ存在として描かれてきました。
世界各国の「コウモリ」の表現まとめ
日本語:蝙蝠(こうもり)
日本語の「蝙蝠(こうもり)」は、夜・闇・隠者の象徴。 江戸時代には「幸守(こうもり)」と当てて縁起物とされることもありました。 また、「あるときはAさんの味方、別の場面ではBさんの味方」というような日和見主義者の比喩にも使われます。
英語:bat(バット)
英語では「bat(bat/バット)」がコウモリ。 “blind as a bat(コウモリのように目が見えない)”などの慣用句があり、 またバットマンなどの影響で「夜・正義・神秘」の象徴としても知られます。
フランス語:chauve-souris(ショーヴ・スリ)
フランス語の「chauve-souris(ショーヴ・スリ)」は直訳で“ハゲたネズミ”。 少しユーモラスな語感ですが、闇と夜の象徴として文学作品にも登場します。
スペイン語:murciélago(ムルシエラゴ)
スペイン語では「murciélago(murciélago/ムルシエラゴ)」。 発音が独特で、ラテン語の“mus caecus(盲目のネズミ)”が語源です。 サッカーチーム「レアル・ムルシア」の紋章にもコウモリが描かれています。
イタリア語:pipistrello(ピピストレッロ)
イタリア語の「pipistrello(pipistrello/ピピストレッロ)」は響きが可愛らしく、 語源は“飛ぶネズミ”に由来します。 オペラ『こうもり(Die Fledermaus)』では“pipistrello”と訳されます。
ドイツ語:Fledermaus(フレーダーマウス)
ドイツ語では「Fledermaus(Fledermaus/フレーダーマウス)」=“羽ばたくネズミ”。 ヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇『こうもり(Die Fledermaus)』が有名です。 夜のエレガンスを象徴する単語としても使われます。
中国語:蝙蝠(ビェンフー)
中国語では「蝙蝠(biānfú/ビェンフー)」。 “蝠(フー)”の音が“福(fú/幸福)”と同じため、 コウモリは幸福の象徴とされ、吉祥文様「五蝠図(五つの幸運)」にも描かれます。
韓国語:박쥐(パクチュィ)
韓国語では「박쥐(bakjwi/パクチュィ)」。 中国と同様に“福”と音が近いため、伝統文様では幸運の象徴とされる一方、 夜行性ゆえに“陰”のイメージも持ちます。
ロシア語:летучая мышь(リトゥーチャヤ・ムィシ)
ロシア語では「летучая мышь(letuchaya mysh’/リトゥーチャヤ・ムィシ)」=“飛ぶネズミ”。 ドイツ語と同じ語感で、闇・秘密・夜を象徴する言葉です。
ポルトガル語:morcego(モルセーゴ)
ポルトガル語では「morcego(morcego/モルセーゴ)」がコウモリ。 古ポルトガル語の“mur cego(盲目のネズミ)”が語源で、 夜の知恵や直感の象徴として扱われます。
トルコ語:yarasa(ヤラサ)
トルコ語では「yarasa(yarasa/ヤラサ)」。 中東地域では不気味な存在として描かれることもありますが、 夢占いでは“新しい視点の獲得”を象徴するポジティブな面もあります。
アラビア語:خُفَّاش(フッファーシュ)
アラビア語では「خُفَّاش(khuffāsh/フッファーシュ)」。 古代アラビアでは夜の賢者の象徴ともされ、 一方でイスラーム神話では“闇の警告者”として登場することもあります。
ヒンディー語:चमगादड़(チャムガーダル)
ヒンディー語では「चमगादड़(camgādar/チャムガーダル)」。 夜の使者・冥界の象徴とされ、民話では不吉な前兆を表すこともあります。
インドネシア語:kelelawar(クレラワール)
インドネシア語では「kelelawar(kelelawar/クレラワール)」がコウモリ。 熱帯地域では果実を食べる種類が多く、“夜の果実の守護者”とも呼ばれます。
ベトナム語:con dơi(コン・ゾイ)
ベトナム語では「con dơi(con dơi/コン・ゾイ)」。 “dơi”はコウモリ、“con”は動物を表す接頭辞。 風水では中国の影響を受け、“幸運の象徴”として描かれます。
ペルシャ語:خفاش(ハッファーシュ)
ペルシャ語では「خفاش(khafāsh/ハッファーシュ)」がコウモリ。 詩では“闇に光を見る者”として知恵の象徴に用いられます。
最後に
この記事では、世界各国の「コウモリ」の表現をご紹介しました。 「bat」「murciélago」「Fledermaus」「蝙蝠」「morcego」「خفاش」など、 どの言語でも“夜・変化・二面性・神秘”を象徴する生き物です。
ネーミングとしては、「夜の使者」「Shadow Wings」「Silent Echo」「幸福の蝙蝠」など、 闇・変化・幸運・再生をテーマにした作品名やブランド名にも適しています。



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